序破急(じょはきゅう)は、元々は日本の伝統音楽「雅楽」で使われていた言葉です。音楽のリズムは「はじめはゆっくり、段々早くして、最後に一番早く」が良いとされ、使われていた言葉です。それが転じて、物語やスピーチなどの内容構成の基本形として使われています。それぞれの意味は以下のとおり。
序:序盤の話の始まり。
破:状況が変わり、序盤の秩序が破られる。
急:事が急激に展開し、話の解決に向かう。
起承転結(きしょうてんけつ)は、物語やスピーチの内容構成を4段構成することです。元々は、中国の漢詩に由来する言葉です。漢詩は4行(4文)からなる詩で、「起句・承句・転句・結句」の構成で成り立っています。それぞれの意味は以下のとおり。
起:話の始まり。状況の説明。
承:話が進み、状況が変わり事件が起こる。
転:解決に向けての急展開がある。
結:解決し、話が終わる。
今では「序破急」も「起承転結」も、物語やスピーチの内容の構成、そしてそれぞれの構成に盛り込む要素について示しているもので、内容的にもほぼ同じことを言っています。
始めに受け手に話の世界に入ってもらい、何か事件や変化が起こり聞き手を一気に引き込む、そして話の解決に向けてのどんでん返しと結末。
序破急と起承転結の違いですが、明確にはないと考えてよいです。3分割4分割の違いはありますが、お互いのそれぞれが1:1で対応しているわけでもなく、4分割のほうに構成要素が多いわけでもありません。
序:起
破:承
急:転、結
序:起
破:承、転
急:転、結
序:起、承
破:転
急:結
一般的に当てはめるとしたらこんな感じですかね。
話の内容によっては、転と結はひとまとまりのほうが良いこともあるし、転が2つあってもいいし、起が少なく承と一緒でもいいし…どう解釈してもよいと思います。
あくまで、ストーリーを構成するにあたっての「よりどころ」であり、絶対ルールではないわけですから。